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①【考える】にこだわる。

近年では、畳の表(おもて)や縁(ふち)などの種類が増えてきました。例えば、畳表の場合でも材質天然イグサ」「和紙」「樹脂」と3種類あり、先ず畳表の種類をなににするか?ほとんどのお客様がまれます。畳表を選ぶポイントは、生活環境、例えば、小さなお子様がいらっしゃるのか?ワンちゃんやねこちゃんとくらしているか?湿気が多いかどうか?いろんな角度から、お客様と一緒になって、トコトン考えさせていただきます。 畳表の材質が決まれば、次は畳縁です。畳縁は畳表よりもはるかに種類が多いのでかなり悩まれます。畳縁を選ぶポイントは①まず、柄入りにするか。無地系にするか。②それが決まれば、畳表の色に合うかお客様とトコトン考えさせていただきます。

畳表と畳縁が決まれば、その組み合わせが、空間にマッチするか。具体的には、壁の色、ふすまの柄、照明の色などの環境を加味し、お客様とトコトン考えさせていただきます。

 

実例 その1.

お客様のご子息が、野球少年。ご子息様のご要望で「甲子園の土の色を再現してほしい」ということで、ご提案させていただいたのが、ダイケン和紙のカラーおもて。

<12番栗色>

 

実例 その2.

お客様お住まいの街には、美しいメタセコイヤ並木が連なっていました。畳縁はメタセコイヤをイメージする<香々里300番>をご提案させていただきました。



②【測る】にこだわる。

昔こんなCMがありましたね。「芸能人は歯が命」。それぞれの職業には、大切なものがあるように、わたしたち畳屋さんにも大切なものがあります。それはズバリ!【畳の寸法】です。畳は1枚1枚サイズとカタチが微妙に違います。敷く場所も決まっているので、簡単に言うと畳ってパズルなんです。そんなパズルを正確に作るには、何よりも寸法が一番重要になってきます。テーラーがオーダーメイドを仕立てるように、僕らも1から採寸を行います。例えば6畳の場合、採寸箇所は※18カ所で一応、畳は仕上がりますが、当店では36カ所を測るようにしています。(要するに、寸法をとことん細かく確認するということです)当店では畳専用の赤色レーザー寸取器を使っています。※柱など条件によって異なります。

赤いレーザー光線が、装置から放たれる。畳屋さんがいちばん緊張する瞬間。私の場合は寸法を確認する時、駅員さんみたいに「〇〇よしっ!」と

点呼するので、ひょっとしたら、ご迷惑かも 笑

僕ら畳屋さんの命でもある、寸法図。これをもとにして新畳を作っていきます。図面の「583」とは、尺寸で5尺8寸3分。壁から柱までの距離を表しています。



③【作る】にこだわる。

①お客様と一緒に考えて②寸法にこだわって③いよいよ畳の製作に入ります。あたりまえのお話ですが、美しい畳を作ってお客様に笑顔を届けるのが最大の目的なんです。きっと、他の畳職人さんも同じ想いだと思います。畳を新調する場合には寸法通りに作ればだいたいイメージ通りに仕上がるのですが、表替えの場合はそうはいきません。なぜなら、いろんな修理をする必要があるからです。たとえば、家具や机の跡で畳が凹んでいたり、畳と畳の間にスキマができていたり、あるいは、部材が一部欠損していたりと、所見はさまざま。こういった所見をじっくり修理するとなると正直申して、手間と時間がかかります。しかし、私はお客様の今後の畳ライフを考えると、できる限り修理をしたいと思っております。大手の畳店のように、大量生産はできませんが、目の前の一枚一枚に向き合って、精進いたしたく存じます。

芸能人は「歯が命」。

畳職人は「刃が命」。

美しい畳を作るためには、日頃の包丁研ぎが重要になってきます。

僕が気に入っているのはダイヤモンド粒タイプの砥石です。

手前茨木童子 奥たた&たみ
手前茨木童子 奥たた&たみ

僕、畳を作るのが本当に好きすぎて「茨木童子」と、加藤畳店のキャラクター「たた&たみ」の

畳(縁)を作ってしまいました。